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笹本 広; 油井 三和; Savage, D.*; Bille, B.*
JNC TN8400 99-025, 32 Pages, 1999/06
地下水水質形式のモデル化の対象となるサイトや処分場の変遷過程を評価するために地下水データを用いる場合、データを用いる前に、データの品質や目的にあったデータであるかどうかについての評価を行う必要がある。本報告書では、データの品質保証に係わる事項・内容について整理した。その結果、地下水地球化学に関するモデル化を行う上では、以下の点に留意することが必要であると考えた。・どの様にして地下水試料がサンプリングされたか(試錐孔掘削中にサンプリングされた地下水か、水理試験の間にサンプリングされた地下水か、原位置での測定値か、試錐孔からポンプで汲み上げられた地下水か、原位置での圧力状態を保ったままサンプリングされた地下水か)。・掘削水の影響等を受けていない地下水試料をどの様にしてサンプリングしたのか。また、その手法に伴う地下水試料への影響(誤差)は、どの程度なのか。・地下水サンプリングの間に脱ガスの影響を受けていないか。もし脱ガスの影響を受けているならば、もとの状態の(正確な)地下水組成を推定するため、地球化学モデルによる補正がなされているか。・地下水の酸化還元状態の非平衡の度合いを把握するため、キーとなるサンプルに対して、異なる手法(例えば、電極によるEhの測定や酸化還元反応に鋭敏な化学種濃度の測定等)による酸化還元状態の調査が行われているか。・地下水試料の濾過方法はどの様にして行われたか。また、室内での水質分析のために、地下水試料をどの様に保存していたか。・低濃度である溶存アルミニウム(通常、0.2mg/L未満)の測定にあたり、精度良く、再現性のあるデータを得るため、地下水試料の濾過(0.1m)や化学分析について、十分信頼できる方法が採用されているか。・地下水試料の化学分析における誤差や検出限界はどの程度なのか。また、測定値に誤りが無いかどうかを確かめるため、電荷バランスのチェックや全溶解成分に関する測定値と計算値の比較等を行っているか。・キーとなる地下水試料が採取された場所での岩石試料に対して、詳細な鉱物学的分析が行われているか。
斎藤 茂幸*; 池田 則生*; 杉山 和稔*; 岩崎 隆一*; 諸岡 幸一*; 景山 宗一郎*
JNC TJ1400 99-025, 483 Pages, 1999/02
本研究は,西暦2000年までに核燃料サイクル開発機構(以下JNCとする)より提出される「地層処分研究開発第2次取りまとめ」(以下,第2次取りまとめとする)に関わる成果の内容に対し,指摘すべき技術的内容について一定の研究成果を出し,両者を比較評価することにより専門家間の実質的な技術情報の共有化と理解の促進を図ることを目的とする。本研究では,平成10年9月に動力炉・核燃料開発事業団(現JNC)により提示された「第2次取りまとめ第1ドラフト」に対し,以下の検討を行った。・地質環境条件の調査研究の分野に関する記述内容及び記述方針等に関わる分析・専門家として指摘すべき技術的事項(課題)の提示及び研究実施内容(研究テーマ)の設定・各研究テーマごとの研究成果及び課題の提示 研究テーマは課題の重要性及び幅広く専門家の意見を反映できることに留意し,主として7項目を設定した。これらの研究を行った結果として,地質環境特性データ(特に岩石物性データ)の取り扱いに関する留意事項,花崗岩中の地下水水質形成機構に関する知見,地下水中の溶存有機物に関する知見,岩石の微細間隙構造の定量的な評価手法の開発可能性,処分地選定における考慮事項,将来予測における不確実性の取り扱い方に関する考え方等に関し知見の整理と課題の提示を行い,さらに課題解決のロジックのレビュー結果を示した。